JEC SUGO 2days Enduro ーモトクラブオープンエリア、2人のチャンプを見て思うことー
1年ぶりに足を運んだJECは、私の知っているJECと、少し違っていました。
新社会人だったこともあり、仕事とレース、プライベートでうまくバランスが取れず、
ほとんどレース観戦に行けなかった2017年。
エンデューロを長く見ているわけではないけれど、
久しぶりに足を運んだJECの会場は、今までと比べて、明らかに若手が増えていたように感じました。
少し前まで、10代、20代の若手は、数えるほどしかいなかった気がするんだけどな。
私が大学生だった頃、エンデューロを見始めてから、一番交流があったのは前橋孝洋くんでした。
当初から、いや、もっと前から、期待の若手として取り上げられていた前橋くん。
そんな彼が、先日、2018年のIAクラス年間チャンピオンを獲得しました。
そして、その前橋くんが所属する、モトクラブオープンエリアから、もう一人チャンピオンが誕生。
NBクラスの米農家、青木孝平くんです。
モトクラブオープンエリアとは、以前から交流があった私。
2人のチャンピオンが輩出されたことは、個人的にすごく嬉しい出来事でした。
前橋くんと青木くんは、まったく真逆の性格のように見えます。
学生時代、前橋くんは、自転車で1時間弱かけて通学していて、
1分でも長く寝たいために、最速タイムを突き詰めていたそうな。
レースにストイックで、研究熱心で、静かに闘争心を燃やすタイプ・・・だと思う。
逆に、青木くんは、まっすぐ家に帰らず、
家とは逆の方面に行って、友だちと遊んでから帰るような人だったといいます。
JEC日高優勝の祝勝会にて、サインを求められた際、
青木くんは、色紙に「NBクラス年間チャンピオン」と書いていました。
まだチャンピオンじゃないのに。
その話だけでは弱いかもしれないけど・・・
なんだか、大物になりそうじゃないですか?
全く性格が違う2人だけれど、彼らを見ていると、数年後が楽しみで仕方がないのです。
前橋くんは、レースウィークに入ると、とても近づきにくいオーラを出しています。
悪い意味ではなく、おそらく、レースモードに入っているのだと思います。
初のIAチャンピオン獲得がかかった今大会、SUGO 2days Enduroでは、
レース中もその緊張感が伝わっていました。
過去何度かレースを見た中で、あんなに、走りに気迫を感じるレースは初めてだったかもしれない。
レースが終わると、ニコニコした前橋くんが戻ってくるのだけども。
きっとこのまま、どんどん上まで行っちゃう人なんだろうなと、そう思ってしまいます。
青木くんは、1年前、前橋くんの紹介もあって、今年からオープンエリアのチーム員になりました。
初めて参戦したJEC富山では、ヘルメットがボロボロすぎて車検に通らなかったとか、
(結果的に通したらしいですが)
エアクリーナーが泥だらけでうまくエンジンが回らなかったとか、
乗り込みすぎて、信じられないぐらいバイクが原型を留めてなかったとか。
🌾参考文献:KMFC - kmfunclub ページ
そんな彼が、今年、モトクラブオープンエリアに入り、いきなり年間チャンピオン。
「本当、1年で人は変われるもんなんですよ」
そう、青木くんは言っていました。
モトクラブオープンエリアという、素晴らしい環境を掴んだ青木くん。
ちょっと違うかもしれないけど、シンデレラストーリー?
伸び代しかないわ。
数年後、青木くんはどこまで速くなるのかなあ。
エンデューロの世界は、沼だと思います。
コースに行くたび、顔見知りが増えていって、ライダーのことも知るようになります。
私は、会場の雰囲気が非日常的で、やめられません。
いるだけでいいのです。
ちょっと空白はあったけれど、久しぶりに行ったJECは本当に楽しかった。
やっぱり、エンデューロの世界は知れば知るほど、抜けられなくなりますね。
今年、クラスは違えど、お互いに年間チャンピオンを獲った2人。
前橋くんと青木くんが、同じクラスで戦うようになる日はいつになるのかな。
その頃、私は、どんな形でこの世界と関わっているのだろう。
そんなことを思う、最終戦でした。